私たちは、1日のうちに喜んだり、悲しんだり、楽しんだり、怒ったり、様々な感情を抱きます。日常の行動や意思決定が感情によって大きく左右されることから、「人間は感情の動物だ」という人もいます。

感情を大別すると、ポジティブなものとネガティブなものに分かれます。ポジティブな感情は、人と人の調和をもたらし、創造的な活動を後押ししてくれます。活力やエネルギーの源にもなります。

一方で、ネガティブな感情は、後ろ向きの考え方や行動を引き起こしやすく、ストレスの原因になります。負の感情はホルモンにも悪い影響を与えるため、体調不良をもたらすこともあります。

また、たとえポジティブな感情であっても、それをひたすら追い求めると、快楽主義や欲望主義に陥り、人間としての成長を阻害する要因になります。自分の夢やビジョンを実現するうえで、一時的な感情に振り回されることがマイナスになることもあります。どのような感情であれ、それにおぼれることは好ましくないのです。

感情の支配から脱するのに役立つのが、イルチ健康法の止感トレーニングです。「止感」(しかん)とは、読んで字のごとく感情を止めることであり、感情の影響からフリーになることで、自分の本当の価値観に基づく行動や選択をとることを目指しています。

止感は、「自分のエネルギーを感じる」ことから始まります。体の中を流れる気エネルギーを感じ、そこに集中することで、感情の呪縛から逃れることができます。まずは、左右の手のひら同士を合わせて、近づけたり、離したりしながら、「気」を感じてみましょう。手の感覚がよみがえれば、ほかの体の部分も気エネルギーを感じやすくなります。

深い瞑想をするには、雑念を取り除き、集中しなければなりませんが、エネルギーを感じる瞬間は自然に集中することができます。この世界のすべてはエネルギーでつながっており、自分の体のエネルギーを感じる瞬間、より大きな次元のエネルギー、宇宙の大生命力と通じるようになります。同時に、眠っていた「体の感覚」がよみがえります。

普段、私たちは自分の内面に起こる考えや感情が自分だと思って暮らしていますが、考えや感情は意識の海に立つ波のようなものです。止感が深まり、心の波が静まると、ようやく私たちは清く明るい本来の姿に出会えます。

エネルギーを感じてゆっくり楽に呼吸する。それだけでも十分なヒーリングになります。毎日3~5分くらい自分の体と心のヒーリングのための時間を作りましょう。それが止感への大きな一歩になるはずです。

「イルチ健康法」より

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